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ヤツらに後ろを取られるな!~その3~

前々回前回の続き
(今回で完結。今回長い…。でももう分けない。)



どうして突然、中学生の頃の羊の思い出話を
引っ張り出したかというと、
このところ暇さえあれば、編み物をしていたからです。

(暖房つけてても手首が冷えるもんでね。暖めねば。)

毛糸を触っていると、どうしても羊を思い出す。

ひと目、またひと目…と編みながら、脳裏に浮かぶは、
羊、羊、羊…
頭突き、頭突き、頭突き…。(笑)


時間の経過とともに、
記憶がちょこっと塗り替えられたのか、
それとも、忘れていたことを思い出したのか、
振り返って目に入った羊は、咀嚼するように口を動かしている。

小屋で干し草を食べ、
小屋の外に出てみれば無防備な私を発見、
もぐもぐしながら「フンッ、気に入らん」とばかりに、
突進してきたんだろうか。

…食べるかケンカ売るかどっちかにすりゃいいのに。

(ちなみに雄なのか雌なのかは不明。

飼育当番は1日30分×1週間の交代制、
年1、2回程度回ってきただろうか。覚えてないけど。
その程度の時間では見分けすらつかなかった。

名前が付けられているのかどうかも知らない。
なんて雑な「お世話」だこと…。)


羊がやったことだと俄かには信じ難かったけど、一方で
何かが気に障ったんだろう、
そして「どけ、ジャマ、ここにいてくれるな」的な
感情を伝えようとしたんだろう、とその当時は想像した。

なので、立ち去ったのだ。
「はいはい、わかったよー。強引な伝え方やねー。」
と思いつつ。

ただし、しばらく向き合っていても2回目の気配はなかった。

そして、「もぐもぐ」のような「ムシャムシャ」のような
口の動きをしている…。

あらら?
もしかしてお腹すいてた?
そういや、餌をあげるのは掃除が終わってからだ。


何度となく思い出しては、気になるものだから
ちょこっとネットで調べてみた。

そしたら余計分からなくなって、益々気になる始末。


(以下はネット上で拾い読みした情報にプラスして
私の推測なんかも入ってますので、
「話半分」程度の感覚でお読みくださいませ。悪しからず。)


考えられる羊の頭突きの理由はざっとこんな感じだろうか。
(他にもまだあるのかもしれないですが)


1、威嚇したい

 →「ここはワシの縄張りなんじゃいっ(ドスン!)」
  これが一番分かりやすくて納得。
  いい気はしないけど、動物らしい気もするし。


2、力比べ(力関係をはっきりさせる、遊び目的など)

※一応、雄同士、雌同士でやるものらしく、雄→雌はない模様。

 →「オゥ、勝負せいや(ドスン!)」ってこと?
  掃除をしている私に向かってゆうておるのかっ?(怒)

  もしくは「あーそーぼ♪(ドスン!)」の可能性もあるのか…。
  そんな気になれるかっ!(泣)


3、子どもが母親の母乳を飲みたい

 →「おなかすいた―(ドスン!)」
  あの時私、黙って立ち去った後、
  小屋に干し草を残してきたよ…。なんか、ごめん。


4、甘えたい、撫でてほしい

 →「なーでーて♪(ドスン!)」
  受けた行為と与える行為が釣り合わん。(泣)


5、その他諸々(ご機嫌だったり、不機嫌だったり)を伝えたい

 →ほら、収拾がつかなくなってきた…。どっちなの?



と、まあこんな感じで混乱する訳です。

あれ?なんでもかんでも頭突きで済ませるつもり?
と思えてくるのですよ。

全てを頭突きに込められても困る。受け止めきれん。(笑)

あの時、私に頭突きをした羊が
もしも1の意味でやったのなら、
ヤツの要望は一応叶ったのでいいとして。

(私が立ち去ったのでね。)

5の場合はもはや私ごときのにわか飼育員には
汲み取れと言われても土台無理な話。
これは仕方ないと考えよう。

なんとも言えない気持ちになるのは
2、3、4の場合…。

「あそぼー」も、「おなかすいたー」も、「なでてー」も、
叶えてやりたいけど、あまりにも解りづらい!!

ミルクが欲しい、とねだってみたら
いつものパッサパサの干し草が置かれていたっていうのは
心中いかなるものなのか…。

「これとは違うのや、今週のおかんよ…。」
といったところか。

でもあの中に乳飲み子はいなかったはず。

「今週のおかんにも、来週のおかんにも期待してもムダやよー。
先週のおかんにも伝わらんかったやろー?干し草食べなさーい。」
と教えてやれたらいいのに。(笑)

(こう考えると食べたいものを選べるのって幸せね)

それより何より、「なでて―」のサインを
無視したのだったら切ないわぁ…。

お願いだから羊よ、
二つ目の表現方法を身につけてはもらえんものか。

甘えるのにふさわしい方法を。



あれやこれやと色々考えてるうちに
また羊に触りたくなってくる。


初めて羊を触ったとき、
表面の毛が微かにねっとり、ごわっとした感触で
毛の中に指をずぼっと突っ込むと
第2関節か、指の付け根あたりまで入った。

中に柔らかい毛がたっぷりと隠れていて
表面を撫でるくらいじゃ、犬や猫とは違って手ごたえがない。
体に触れている感覚がない。毛の厚みがあり過ぎて。

羊の身体に生えたブロッコリーやカリフラワーを
揺すっているような妙な感覚になる。(笑)

(それゆえ、結構な勢いで頭突きをして
意思表示をするんだろうか)


あんなのでも良かったんなら
いくらでも撫でてやるのに。

いつかまた羊に触れる機会があったら
逃げていくまで撫でまわしてやりたい。(笑)

あの時の羊が何をしてもらいたがっていたのか
結局分からないままだけど。

「撫でてほしいのに撫でてもらえんっ」
と思わせるよりマシだ。

しゃべってくれたらいいのにね。

あなた達に柔らかい毛糸を恵んでもらっているお蔭で
暖かいし、楽しいのだ。

どうせなら機嫌よく生きていてほしい。

だから不満だろうがなんだろうが
いくらでも聞くんだけど。

編み物しつつ、のときどき生返事でも良ければ。(笑)



ところで、うちの中学校では山羊も飼っていた。
羊と同じ場所で。

とても後ろめたいのだけど、ほとんど印象に残っていない。
記憶の中で山羊を探してもどこで何をしていたのか…。
羊に圧倒されていたんだろうか?

でも、それ以前の記憶で、
私がまだ小学生だったある夏の日のこと、
一度だけ、下校時に山羊に遭遇したことがあった。

当時の中学校の校長先生が、
1頭の山羊を連れて散歩中だったのです。

犬、猫、うさぎ、鳥くらいしか
日常で目にすることのない私と友達は興奮しまくって駆け寄り、
あっという間に他の子どもたちにも囲まれていました。

麦わら帽子にベージュ(?)のコットンパンツ(短パンだったかも)、
白のポロシャツ(Tシャツかタンクトップだったかも)という
農家のおじいさんのようなお姿(子どもの目にはそう映った)の校長先生と
首にゆるく縄を結ばれた、おとなしそうな山羊。

ゆるゆる、ふわふわとした和やかな雰囲気で
のんびりと並んで緑道を歩く校長先生と山羊は
あの瞬間、間違いなくアイドルだったよ!


ごめん、山羊。これくらいで許してほしい。(笑)

あと、頭突きが山羊の仕業じゃなくて良かったよ。
立派な角が生えているから、笑えません。(笑)


そしてこの時、私は「中学校で飼育係をやる。」と決意し、
実際3年間飼育委員をやることになるのです。

後に背後から羊に突撃されるとも知らずに。(笑)






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